おもしろさについて

面白いということはどういう事だろうと考えた。というかずっと考えている。
まず正しいことは面白いか否かという問題がある。小説でも漫画でもよい、王道に乗っ取ったストーリー、魅力的なキャラ、テンポ良く進む物語。これらの要素は間違いなく正しい。それは揺るがない。
しかし、これらを満たしていれば、それすなわちおもしろいということだろうか。残念ながら私は否だと考える。
この問題を考えるきっかけになったのはジャンプで連載中のアイシールド21という漫画だ。この漫画はかつて面白かった。そして今なおほとんど正しい。絶望的な状況からの逆転劇、丁寧に貼られた伏線、デフォルメされているとはいえ魅力的なキャラ達。かつてのアイシルは本当に面白かった。それは正しいおもしろさだった。
しかし、今のアイシールはどうか。奇譚のない意見を言わせて貰えば、ワンピ、ハンタは言うに及ばず、漫画として間違っている部分の多数あるナルトやブリーチなどよりも面白くない。自分の中の順位で言えば、せいぜいアスクレピオスのちょっと上という程度だ。
これは、何故だろうか。アイシルの何が失敗だったのだろうか。確かに、デフォルメされすぎたキャラ。お約束になったあり得ないマンネリ逆転劇。進むインフレ。と悪い部分は多くある。しかし私にはこれらがフェイタルなものだとは思えないのだ。この程度の問題はどの漫画にもある。というか、アイシル以上に酷い漫画などいくらでもある。アイシルは未だに漫画として正しい。なのに、なぜアイシルはこんなにも面白くないのか。
私的な事情だが、過去の私はアイシールドのコミックを買っていた。しかしそれも5巻までだった。5巻というと上記の問題がほとんど顕在化していなかった、していたとしてもほとんど問題にならない程度だった頃だ。しかし、私は無意識下の内にこの漫画を切ったのだ。何故だろうか。

ここまで、読んで頂いて申し訳ないのだが、確固たる結論は私の中にない。しかし、おそらくは正しいことは面白いことではないのだ。結局の所。我々が面白いと思うのは正しいものではなく、もっと別の何かだ。おそらく、それを一つの方向から見たときにオリジナリティーだとか個性だとかいう名前が付けられるのだろう。それは理屈ではない。だからこそ面白い創作物を作るとことは難しい、のだろうと思う。


さらにこちらは主に小説の話になるが読みやすい(可読性)≠面白い。ではないかとさらに私は愚考する。以下に続けようと思ったが長くなった。空白が足りないのでまた後日。